祇園祭山鉾一覧


祇園祭(ぎおんまつり)は、京都・八坂神社のお祭りで、葵祭時代祭と並ぶ「京都三大祭」の一つとして知られています。毎年7月1日から31日までの1ヶ月間、さまざまな神事や行事(祇園祭日程)が行われ、京都の夏を華やかに彩ります。

なかでも最大の見どころが、7月17日の「前祭(さきまつり)山鉾巡行」と7月24日の「後祭(あとまつり)山鉾巡行」です。前祭では23基、後祭では11基の山鉾が、四条通・河原町通・御池通を練り歩き、まるで「動く美術館」と称される豪華な姿で観客を魅了します。

かつて応仁の乱の影響で一時中断していた祇園祭が再開された際、巡行の先陣争いが起こったことから、現在では7月2日に京都市役所で「くじ取り式」が行われます。巡行当日は、四条堺町(後祭は京都市役所前)に設けられた関所で京都市長(奉行)が順番を確認する「くじ改め」も実施されます。

なお、すべての山鉾がくじを引くわけではありません。「長刀鉾(前祭1番)」をはじめ、「函谷鉾(前祭5番)」「放下鉾(前祭21番)」「岩戸山(前祭22番)」「船鉾(前祭23番)」などの一部の山鉾は、毎年決まった順番で巡行するため「くじ取らず」と呼ばれています。後祭では、「橋弁慶山(後祭1番)」「北観音山(後祭2番・6番)」「南観音山(後祭2番・6番)」「鷹山(後祭10番)」「大船鉾(後祭11番)」などが該当します。

山鉾の「」と「」の違いは、屋根やご神体の後ろに松の木が立っているものが「」、高い柱(真木)の先に鉾の飾り(鉾頭)が付いているものが「」とされています(ただし、例外もあります)。

さらに、の中でも2種類あり岩戸山北観音山南観音山のように車輪が付き40人から50人の曳手が引っ張っていく構造のものを曳山(ひきやま)、神輿のように曳手が担いでいるものを舁山(かきやま)と言います。

もまた2種類あり長刀鉾のように車輪が付き曳手が引っ張っていく構造のものと、綾傘鉾四条傘鉾のように大きなと巡行時には棒ふりが一緒に行進する傘鉾タイプがあります。

山鉾を飾る装飾も見どころの一つです。日本の友禅染をはじめ、ペルシャ絨毯ベルギー製織物ギリシャ神話をモチーフにしたタペストリーなど、国際色豊かな美術品で飾られており、それぞれに日本の神話中国の故事にちなんだご神体が乗せられています。

こうした美術工芸の粋を集めた山鉾は世界的にも高く評価され、2009年には「京都祇園祭の山鉾行事」としてユネスコの無形文化遺産に登録されました。

宵山をより深く楽しむには、ブログ『祇園祭宵山を10倍楽しむ!』をご覧ください。スマートフォン・タブレットでも見れる「祇園祭宵山山鉾マップ」を用意しました。

※各山鉾の説明文は、宵山で立てられていた京都市の立て札を一部参考にしてます

祇園祭山鉾

 

長刀鉾

前祭  鉾建日7月10日  くじ取らず(前祭1番)

長刀鉾(なぎなたほこ)は、鉾頭に大長刀(おおなぎなた)を掲げる山鉾で、古くから山鉾巡行の先頭を担います。疫病や邪気を祓うとされる大長刀は、京都御所八坂神社に刃先が向かないよう、巡行時に角度が調整されます。現在の大長刀は竹製で、本物は神聖な神品として保管されています。

鉾頭は、刀工・三条宗近作と伝えられるもので、天文5年(1536年)の法華の乱で一時紛失しましたが、翌年に八坂神社(当時の感神院)に戻され、現在は長刀鉾町で保管されています。ただし、一般には公開されていません。その後、延宝3年(1676年)に和泉来金道が新たに鉾頭を作製しましたが、重くて巡行時に大きく揺れたため、天保8年(1837年)以降は現在の竹製に変更されました。

長刀鉾は、山鉾の中で唯一「生稚児(いきちご)」が乗る山鉾としても知られており、前祭の山鉾巡行では稚児が注連縄(しめなわ)を太刀で切る「注連縄切り」を行います。長刀鉾の稚児は、7月1日の「長刀鉾町御千度」、7月5日の「長刀鉾稚児舞披露」、7月13日の「稚児社参」などの行事にも登場し、多くの参拝者の注目を集めます。

7月12日には、長刀鉾の曳初めが行われます。宵山期間中長刀鉾の内部に登ることができますが、「女人禁制」とされています。鉾の天井には、星座をあしらった美しい装飾も施されており、訪れる人々を魅了します。

長刀鉾
 

蟷螂山

前祭  山建日7月13日

蟷螂山(とうろうやま)は、車にひかれそうになったカマキリが鎌を振り上げて立ち向かったという、中国の古い故事に由来する山鉾です。この勇敢な姿に敬意を表し、四条隆資(しじょうたかすけ)の武勇と重ね合わせて、四条家の御所車にカマキリを乗せて巡行したのが起源とされています。

明治時代以降、一時中断していましたが、昭和56年(1981年)に復活しました。山鉾の中で唯一、からくり仕掛けを備えており、カマキリの頭や鎌、羽の部分、さらには御所車の車輪までが動くのが大きな特徴です。このユニークな姿から、別名「カマキリ山」とも呼ばれ親しまれています。宵山の期間には「カマキリおみくじ」も人気。

蟷螂山
 

芦刈山

前祭  山建日7月13日

芦刈山(あしかりやま)は、謡曲『芦刈』に由来する山鉾です。物語は、妻と別れた老翁が難波の浦で芦を刈るうちに、やがて妻と再会を果たすという感動的な内容で、ご神体にはその老翁が表現されています。

ご神体の衣装は、現存する山鉾の中でも最古とされる貴重なもので、胴掛には尾形光琳原作の「燕子花図(かきつばたず)」があしらわれています。また、前懸には精悍なライオンが描かれており、力強さと美しさを兼ね備えた意匠が見る人を引きつけます。

芦刈山
 

木賊山

前祭  山建日7月13日

木賊山(とくさやま)は、世阿弥の謡曲『木賊(とくさ)』に由来する山鉾です。ご神体は、わが子を人にさらわれた老翁が、信濃国・伏屋の里で木賊を刈る姿を表しています。宵山では、ご神体をはじめ、前掛や水引などの装飾を間近で見ることができ、迷子除けの護符も授与されます。

木賊山
 

函谷鉾

前祭  鉾建日7月10日  くじ取らず(前祭5番)

函谷鉾(かんこぼこ)の鉾頭には、「函谷関の山稜にかかる三日月」があしらわれています。鉾の名前は、中国戦国時代の四君の一人・孟嘗君(もうしょうくん)が、鶏の鳴きまねの得意な食客の機転によって函谷関を開かせ、脱出できたという故事に由来しています。

天明の大火で焼失しましたが、天保10年(1839年)に再興されました。それ以降は、生稚児ではなく稚児人形「嘉多丸(かたまる)」が乗るようになりました。この稚児人形のモデルは、左大臣・一条殿下の長男「実良君」と伝えられています。

函谷鉾
 

郭巨山

前祭  山建日7月13日

郭巨山(かっきょやま)のご神体は、中国の古典『二十四孝』に登場する郭巨の物語に由来します。貧しさの中でも母に孝養を尽くそうと、郭巨がわが子を山に捨てに行ったところ、地中から黄金の釜を掘り当てたという故事にちなみます。別名「釜堀山(かまほりやま)」。宵山では、金運・開運の護符が授与されます。

郭巨山
 

綾傘鉾

前祭  鉾建日7月13日

綾傘鉾(あやがさほこ)の鉾頭には、金の鶏と金幣が飾られています。巡行では、2つの大きな傘の前を、赤熊(しゃぐま)をつけた棒振りとお囃子が先導します。棒振り囃子には、疫病退散の願いが込められています。

お面をつけた2人が向かい合って太鼓を打ち鳴らす姿も見どころのひとつです。頭上に向け付けられたお面には、天から降りてくる悪霊を防ぐ意味があるとされています。綾傘鉾のお囃子は、壬生六斎が担当されている。

綾傘鉾
 

伯牙山

前祭  山建日7月12日

伯牙山(はくがやま)は、中国の古事に由来します。琴の名手伯牙が、自分の琴の音を深く理解してくれるただ一人の友人・鐘子期(しょうしき)の死を知り、深い悲しみのあまり琴の弦を断ち、以後二度と琴を弾かなかったという逸話です。

この話は、心の通じ合う真の理解者を意味する「知音(ちいん)」という言葉の語源にもなっています。伯牙山は、別名「琴破山(ことわりやま)」とも呼ばれます。見送りは「柳絲軒」在銘の仙人図刺繍

伯牙山
 

菊水鉾

前祭  鉾建日7月10日

菊水鉾(きくすいほこ)の鉾頭には、金色の菊花があしらわれています。鉾の名称は、町内にある名水「菊水井戸」にちなんで名付けられました。禁門の変((蛤御門の変)で焼失しましたが、昭和27年に再興されたことから「昭和の鉾」とも呼ばれています。

見送りには、皆川月華作の「孔雀図」や、岩澤重夫作の「深山菊水図綴織見送」が用いられています。屋根は山鉾の中で唯一、唐破風(からはふ)造りとなっており、胴懸や水引などの装飾品も、昭和を代表する芸術家たちの作品で華やかに飾られています。宵山では、不老長寿のご利益がある護符が授与されます。

菊水鉾
 

油天神山

前祭  山建日7月13日

油天神山(あぶらてんじんやま)は、天神様(菅原道真公)を勧請して祀る山です。もともとは風早家に伝わる天神像を御神体としたと伝えられています。また、丑の日に勧請されたことから「牛天神山(うしてんじんやま)」とも呼ばれています。宵山では、学問の神様を祀っていることにちなみ、学問成就のお守りや絵馬が授与されます。

油天神山
 

太子山

前祭  山建日7月13日

太子山(たいしやま)は、少年時代の聖徳太子を御神体とする山です。四天王寺建立のために良材を求めて山中に入ったという伝承に由来しています。真木には松ではなく杉を用いているのが特徴です。前懸は阿房宮の刺繍、胴掛はクジャク想像上の花樹を描いたベトナム刺繍、見送は飛龍文様錦織が用いられています。宵山では、杉・知恵のお守りが授与される。

太子山
 

保昌山

前祭  山建日7月12日

保昌山(ほうしょうやま)の御神体は、平井保昌(藤原保昌)です。平安時代を代表する歌人和泉式部のために、紫宸殿の紅梅を手折ってくる姿を表しています。保昌はまた、源頼光とともに大江山で酒呑童子を退治した武将としても知られています。宵山では、縁結びの護符が授与されます。

保昌山
 

鶏鉾

前祭  鉾建日7月10日

鶏鉾(にわとりほこ)は、堯(ぎょう)の時代、天下がよく治まり、訴訟用の太鼓(諫鼓)が使われなくなって鶏が巣を作ったという中国の古事に由来します。鉾頭には、三角形の中に鶏卵を象徴する金の円があしらわれています。

見送りは、16世紀頃に制作されたベルギー製のタペストリー「トロイのヘクトールが妻子に別れを告げる図」で、国の重要文化財に指定。山鉾巡行では稚児人形が乗り込みます。

鶏鉾
 

白楽天山

前祭  山建日7月13日

白楽天山(はくらくてんやま)のご神体は、唐の詩聖・白楽天(白居易)が、道林禅師に仏法の大意を問うたところ、「諸悪莫作・衆善奉行(悪い行いをせず、善い行いをしなさい)」という七仏通誡偈の一句で答えられた場面を再現しています。

見送りはベルギー製の毛綴で、トロイ城が落城する中、アイネイアースが父を救出する場面が描かれています。これは、大津祭月宮殿山(げっきゅうでんざん)の見送り(重要文化財)や龍門滝山(りゅうもんたきやま)の見送りと双幅の構成となっています。宵山では、学業成就の護符が授与されます。

白楽天山
 

四条傘鉾

前祭  鉾建日7月14日

四条傘鉾(しじょうかさほこ)の鉾頭は、花瓶・赤幣・若松を飾る。応仁の乱以前に起源を持ち、綾傘鉾と共に古い形態の傘鉾です。山鉾巡行時に総勢16名の子供達による棒振り踊りが目を引きます。

お囃子と踊りは、室町時代の風流踊りが起源で、昭和63年から「ケンケト踊り」を参考に復元されました。宵山期間中に1日4度、くじ改め棒振り踊りがリハーサルが行われます。

四条傘鉾
 

孟宗山

前祭  山建日7月14日

孟宗山(もそうやま)は、中国の親孝行の物語「二十四孝」に由来し、雪の中で母の欲しがる筍を掘り当てた孟宗の姿をご神体としています。親孝行のご利益があるとされ、授与される粽(ちまき)は人気です。別名「筍山(たけのこやま)」とも呼ばれています。

孟宗山
 

月鉾

前祭  鉾建日7月10日

月鉾(つきほこ)は、鉾頭に新月型(みかづき)をいただき、真木の中ほどには月読尊を祀ります。屋根裏には円山応挙作の金地彩色草花図、破風の蟇股には左甚五郎作の彫刻が施され、前懸のメダリオン絨毯や錺金具など、装飾品はいずれも絢爛豪華です。

胴懸にはインドやトルコ絨毯が用いられ、見送りは「湖畔黎明図」。すべての山鉾の中で最重量を誇り、その重さは約12トンにもなります。宵山では、月鉾にのぼることができます。

月鉾
 

山伏山

前祭  山建日7月13日

山伏山(やまぶしやま)は、傾いた法観寺の塔(八坂の塔)を法力で直したとされる浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)をご神体としています。山伏姿は、大峰山への修行登山「大峰入り」の様子を表しています。宵山では、2階に安置されたご神体を下から見上げて拝観することができます。また、7月15日には、聖護院の山伏による護摩焚きが行われます。

山伏山
 

占出山

前祭  山建日7月13日

占出山(うらでやま)は、神功皇后が肥前松浦で鮎を釣り、戦勝の兆しとしたという古事に由来します。別名「鮎釣山(あゆつりやま)」とも呼ばれます。凱旋後、筑紫で無事に応神天皇をご出産されたことから、安産の神様として信仰されています。水引は三十六歌仙図宵山では安産の御守や腹帯が授与され、山鉾巡行の順番が早い年は「お産が軽くなる」とも言われています。

占出山
 

霰天神山

前祭  山建日7月13日

霰天神山(あられてんじんやま)は、永正年間に京都で起こった大火が、霰の降雨によって鎮火し、その際に降ってきたと伝わる天神様(約3.6cm)を祀ったのが起源とされています。別名「火除天神山」「錦天神山」。前懸には、イーリアス物語をモチーフにしたベルギー製の毛綴を使用。胴懸は花鳥綴織、後懸は雲龍文様綴錦が飾られます。宵山では、火除け・雷除けの護符が授与されます。

霰天神山
 

放下鉾

前祭  鉾建日7月11日  くじ取らず(前祭21番)

放下鉾(ほうかほこ)は、天王座に放下僧を祀ることに由来します。鉾頭は、金色の日・月・星が下界を照らす形をしており、その形状から別名「州浜鉾(すはまぼこ)」とも呼ばれます。見送りは文政11年(1828)製の西陣織。昭和4年以降、生稚児に代わり、稚児人形「三光丸(さんこうまる)」が乗るようになりました。山鉾巡行では、鉾の上で稚児人形による稚児舞が披露されます。

放下鉾
 

岩戸山

前祭  山建日7月11日  くじ取らず(前祭22番)

岩戸山(いわとやま)は、日本神話の天照大神の天岩戸隠れに由来します。ご神体は、天照大神(あまてらすおおみかみ)、手力雄尊(たぢからおのみこと)、そして曳山屋根に祀られる伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の三体です。宵山では、皆川泰蔵作の見送り「ヴェネチア」などを間近で見ることができます。開運の護符が授与されます。

岩戸山
 

船鉾

前祭  鉾建日7月11日  くじ取らず(前祭23番)

船鉾(ふねほこ)は、神功皇后の説話にちなみ、鉾全体が船の形をしています。船首には、中国の想像上の瑞鳥である金色の鷁(げき)、船尾には飛龍文様の舵が据えられています。神功皇后をはじめ、磯良・住吉・鹿島の三神を祀ります。

吉符入り後には、新旧の神面の無事を確認する「神面改め」が行われます。神功皇后の神面は、安産に霊験あらたかと伝えられています。7月13日には、船鉾の曳初めが行われます。宵山では、船鉾にのぼることができ、安産祈願御守や御安産御腹帯が授与される。山鉾巡行(前祭)では、殿(しんがり)を務めます。

船鉾
 

橋弁慶山

後祭  山建日7月21日  くじ取らず(後祭1番)

橋弁慶山(はしべんけいやま)のご神体は、大長刀を構えた武蔵坊弁慶と、五条大橋の欄干に片足で立つ牛若丸(源義経)です。舁山の中で唯一「くじ取らず」で、後祭の山鉾巡行では先頭を務めます。宵山では、黒漆塗りの五条大橋が1階に、弁慶牛若丸のご神体は2階に据えられ、間近でご覧いただけます。

橋弁慶山
 

北観音山

後祭  山建日7月19日  くじ取らず(後祭2番・6番)

北観音山(きたかんのんやま)は、楊柳観音像と韋駄天立像を祀る曳山で、別名「上り観音山」。もとは昇山でしたが、後に曳山へと改められました。山鉾巡行時には「観音懺法」にちなみ、山の後方に大きな柳の枝を差すのが特徴です。

松の真木には尾長鶏が飾られ、豪快な辻回しも見どころのひとつ。大きな車輪には「北観音山」の文字が記されています。江戸時代には南観音山と隔年で交代しながら巡行しており、令和5年(2023年)からは南観音山と隔年で巡行順が入れ替わるようになりました。

北観音山
 

鯉山

後祭  山建日7月19日

鯉山(こいやま)は、約1.5メートルもある鯉左甚五郎作)が印象的な山で、黄河の龍門の滝を登った鯉が龍になるという登竜門の故事に由来します。前懸・胴懸・水引・見送りには、16世紀のベルギー製タペストリーが用いられ、「イーリアス」に登場するトロイア戦争の場面が描かれています。これらのタペストリーは、もともと5枚1組のうちの1枚とされる貴重な品です。宵山では、立身出世のお守りが授与されます。

鯉山
 

八幡山

後祭  山建日7月20日

八幡山(はちまんやま)は、町内に祀られている八幡宮を勧請した山です。山鉾巡行時には、朱塗りの鳥居に左甚五郎作の二羽の鳩が向かい合ってとまっており、印象的な装飾となっています。宵山では、総金箔で覆われた小祠を間近で拝観することができます。

八幡山
 

黒主山

後祭  山建日7月20日

黒主山(くろぬしやま)のご神体は、平安時代の歌人・大伴黒主(おおとものくろぬし)が桜を仰ぎ眺める姿で、謡曲『志賀』に由来します。山に飾られる造花の桜と粽を玄関に掲げておくと、悪事が入り込まないといわれています。

黒主山
 

南観音山

後祭  山建日7月18日  くじ取らず(後祭2番・6番)

南観音山(みなみかんのんやま)は、楊柳観音像と脇侍の善財童子像を祀る曳山です。2011年までは「くじ取らず」で、後祭の巡行では殿(しんがり)を務めていました。別名「下り観音山」とも呼ばれます。

宵山の7月23日夜、日和神楽が戻ると、観音像を担いで駆け巡る「あばれ観音」という行事が行われます。山の後ろには、諸病を防ぐとされる大きな柳の枝が立てられ、見送は加山又造下絵による「龍王渡海図」。下水引は「飛天演奏楽」。松の真木には白い鳩が飾られます。令和5年(2023年)からは、北観音山と隔年で巡行順が入れ替わるようになりました。

南観音山
 

役行者山

後祭  山建日7月20日

役行者山(えんのぎょうじゃやま)のご神体は、修験道の祖・役行者(中央)、一言主神(赤熊)、葛城神(女体)です。役行者が一言主神を使い、葛城山と大峰山の間に石橋をかけたという伝承に由来します。山鉾巡行前日の7月23日には、14時頃から山伏問答や護摩焚きが行われ、疫病除けの護符が授与されます。宵山では、龍の目がLEDで光る演出も見どころです。

役行者山
 

浄妙山

後祭  山建日7月20日

浄妙山(じょうみょうやま)のご神体は、平家物語「宇治川の合戦」を題材に、三井寺(園城寺)の僧兵・筒井浄妙の頭上を一来法師が飛び越えて先陣を取った瞬間を見事に表現しています。宵山では、2体のご神体と、矢の刺さった黒漆塗りの橋を間近で拝観できます。勝運を祈願する「勝ち守り」が授与されます。

浄妙山
 

鈴鹿山

後祭  山建日7月20日

鈴鹿山(すずかやま)のご神体は、鈴鹿権現(瀬織津姫命)で、伊勢国・鈴鹿山で人々を苦しめた悪鬼を退治したという伝説に由来します。山鉾巡行後には、山上の松に付けられていた絵馬(盗難除けの護符)が授与されます。見送りは、染彩で描かれたハワイの蘭花です。

鈴鹿山
 

鷹山

後祭  山建日7月18日  くじ取らず(後祭10番)

鷹山(たかやま)のご神体は、鷹匠・犬飼・樽負の三体で、在原行平光孝天皇の御幸に際して行った鷹狩りに由来します。真木(真松)には、雉(きじ)が一羽あしらわれています。

文政10年(1827)、前年の巡行中に雨で懸装品が損傷し、不参加となりました。さらに元治元年(1864)の大火で、ご神体の頭部など一部を残して焼失。以後は長らく休み山(居祭)でしたが、令和元年(2019年)の唐櫃巡行を経て、令和4年(2022年)には曳山として196年ぶりに巡行復帰を果たしました。

鷹山
 

大船鉾

後祭  鉾建日7月18日  くじ取らず(後祭11番)

大船鉾(おおふねほこ)は、禁門の変(蛤御門の変)で焼失するまで、旧暦6月14日(現在の7月24日)の後祭で最後尾を飾っていた鉾です。その後、復興されず長らく休山となっていましたが、2012年から山鉾巡行に唐櫃屋台で参加し、2014年には150年ぶりに本格復活。現在は後祭山鉾巡行の殿(しんがり)をつとめています。

御祭神は神功皇后で、屋形中央に祀られ、屋形前部には住吉明神、艫部には鹿島明神、舳先には安曇磯良の三神が随従しています。船首には、隔年で大金弊(だいきんぺい)か龍頭(りゅうず)が飾られ、龍頭には金箔が施されています。

梶(かじ)は下り龍と波濤の図、水引には飛竜に波濤の図が描かれています。大船鉾は、前祭の船鉾に比べて約1割大きく、令和6年(2024年)には、全ての山鉾の中で史上最大となる車輪(直径2.13m、重さ685kg)に新調されました。

なお、2011年10月から2017年7月まで、京都ヨドバシカメラビル1階北東角にて、大船鉾の実物が展示されていました。

大船鉾

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洛中エリア内には、二条城・下鴨神社・西本願寺の3箇所が世界遺産に登録されています。

アクセス

京都駅から観光名所 京都駅から観光名所
京都の玄関口京都駅は、電車(JR・京都市営地下鉄・近鉄電車)、バスターミナル、タクシーが集中しており、京都市内にある観光名所へのアクセスが便利です。
清水寺から観光名所 清水寺から観光名所
京都観光ランキング1位の人気観光名所清水寺から主要な観光名所へ公共交通機関を使ったアクセス方法。
嵐山から観光名所 嵐山から観光名所
京都でも指折りの観光名所嵐山には、JR・嵐電(京福電車)・阪急電車が乗り入れており、電車での移動が便利です。

1日コース

清水寺~銀閣寺コース 清水寺~銀閣寺コース
清水寺~銀閣寺コースは、世界遺産の清水寺から銀閣寺まで1日かけてゆっくり歩くコース....
嵐山~嵯峨野コース 嵐山~嵯峨野コース
嵐山~嵯峨野コースは、京都観光ランキング2位の嵐山から奥嵯峨の愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)まで...
嵐山~金閣寺コース 嵐山~金閣寺コース
嵐山~金閣寺コースは、京都観光ランキングと2位の嵐山エリアと世界遺産仁和寺・龍安寺・金閣寺を....

電車+徒歩コース

嵐山コース 嵐山コース
JRの嵯峨嵐山駅から嵐山の有名観光スポットをめぐり、再び嵯峨嵐山駅まで戻るコースです。基本コース(赤線)は、距離約4.2....
蹴上駅~東山駅コース 蹴上駅~東山駅コース
蹴上駅(京都市営地下鉄東西線)から南禅寺・永観堂・平安神宮をめぐり東山駅(京都市営地....
稲荷駅~丸太町駅コース 稲荷駅~丸太町駅コース
JR稲荷駅から丸太町駅(京都市営地下鉄烏丸線)まで歩くコースです。基本コース(赤線)は、距離約4.65km、....

目的別コース

庭園めぐりコース(東エリア) 庭園めぐりコース(東エリア)
庭園めぐりコース(東エリア)は、東福寺から平安神宮まで主に庭園を拝観するコースです。京都名庭園で....
庭園めぐりコース(西エリア) 庭園めぐりコース(西エリア)
庭園めぐりコース(西エリア)は、天龍寺から龍安寺まで主に庭園を拝観するコースです。京都名庭園で....
恋愛成就・縁結びコース 恋愛成就・縁結びコース
恋愛成就・縁結びコースは、地主神社(じしゅじんじゃ)から下鴨神社までのコースです。恋愛成就・縁結びスポット...

穴場コース

大悲閣千光寺~愛宕念仏寺穴場コース 大悲閣千光寺~愛宕念仏寺穴場コース
大悲閣千光寺~愛宕念仏寺穴場コースは、京都市街が一望出来る大悲閣千光寺から紅葉がキレイな愛宕念仏寺....
天授庵~青蓮院穴場コース 天授庵~青蓮院穴場コース
天授庵~青蓮院穴場コースは、南禅寺の塔頭天授庵から天台宗五箇室門跡の一つ青蓮院までのコース...
六波羅蜜寺~京都霊山護国神社穴場コース 六波羅蜜寺~京都霊山護国神社穴場コース
六波羅蜜寺~京都霊山護国神社穴場コースは、空也上人ゆかりの六波羅蜜寺....

人気観光名所ベスト3

清水寺 1位   清水寺
北法相宗大本山の清水寺(きよみずでら)は、宝亀9(778年)延鎮(賢心)上人開基、十一面....
嵐山 2位   嵐山
嵐山は、京都でも屈指の人気観光地(京都観光ランキング2位)で桜の名所・紅葉の名所として....
金閣寺 3位   金閣寺
金閣寺(きんかくじ)は、臨済宗相国寺派の禅寺で、正式名称鹿苑寺(ろくおんじ)という。....

テーマ別

京のご利益 京のご利益
京都は、古くからの信仰や伝説が語りつがれ、今でも願い事を叶えてくれると信じ多くの人が神社仏閣へ訪れます。
京都名庭園 京都名庭園
京都にあるたくさんの庭園の中でも特に厳選したオススメの名庭園を10ヶ所ピックアップ。
穴場スポット 穴場スポット
有名な清水寺や金閣寺などと比べて、あまり知られていないけれども、良い場所を厳選。

外国人

外国人ランキング 外国人ランキング
京都は、旅行雑誌(トラベル・アンド・レジャー)で世界の人気観光都市ランキング1位に選ばれるほど外国人に人気....
外国人向けコース 外国人向けコース
外国人向けコースは、伏見稲荷大社から平安神宮までのコースです。外国人にオススメ観光名所の場所を中心に....
外国人オススメ 外国人オススメ
外国人といっても西洋人から東洋人まで幅広く、国によって好みは違います。2つの基準で10ヶ所選出。1つ目....

京都観光研究所ブログ!

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京都観光オリジナルプラン

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